かつらを保管する時、箱に入れたり、そのまま床や机においたりすると、髪の先にクセが付くことがある。
これを避けるため、かつら台を使用することが望ましい。
かつら台は、かつらを面で支え、髪は床に着くことなく垂れ下がるため、クセが付く心配はない。
金属製のフレーム構造のものもあるが、お勧めは発泡スチロール性の「頭」だ。
かつらを載せた後、まち針を刺して固定できため、手入れをする際に便利である。
また、人と同じ大きさであるため、レースにも優しい。
服にとってのハンガーみたいなものである。
特に自分でカットをする場合、かつら台は必須である。絶対に手で持ったままカットしてはいけない。
かつらの左右が非対称になったり、髪をばっさり切って段差がついたり、というトラブルが起きやすくなる。
かつら台が入手できない場合でも、ボウルなど半円型の代用品を用意するべきだ。
既製品のかつらを多数展示しているショップ(大半のデパートやショッピングモールには、女性向け既製品かつらショップが
ある)では、顔のついた「ヘッドマネキン」と呼ばれるかつら台を使用している。首から上のマネキン人形である。
しかし、硬質のヘッドマネキンはカツラをピンで固定することができないので不便であるし、
何より、自室にマネキンがあるのはあまり気分のよいものではない。目も鼻も口も付いている(描いてある)のだ。
個人で使用するなら、顔のついていない、普通の発泡スチロール製かつら台がお勧めである。
凹凸で顔のイメージを彷彿させるタイプもあるし、あまり顔に見えない形状のものもある。
第三者に見られるケースを考えれば、後者の方がよいであろう。
発泡スチロールのかつら台は、虫ピンが使えるというメリットがある。
その一方、両面テープを使用すると、剥がすときに発泡スチロールの表面が一緒にとれる、というデメリットがある。
両面テープを使用する場合は、プラスチック製のかつら台がお勧めである。
なお、プラスチック製にしろ発泡スチロール製にしろ、ヘッドマネキンのような形状のウィッグスタンドは意外にかさばる。
引き出しには入らないし、棚に置くと存在感がある。
このため、金属製で折りたたむことができるタイプのかつらスタンドも売られている。
ただし、これは、保管専用で、かつらカット時の台として使用することはできない。
ちなみに、レースの余白が十分の幅がある時は、余白部分を虫ピンで留めるほうがよい。
余白以外の部分、つまり実際に使用する範囲のレースに虫ピンを打つと、かつらカット時に引っ張ったりしてレースの破れに繋がるときがあるので注意しよう。もっとも、少々破れても実用上は差し支えはないが。
とはいえ、余裕にピンを打てば、少々破れても切り落としてしまえばよいので気が楽だ。