かつらレースの縁がない部分は、使用に伴って繊維がほどけ、いわゆる「ほつれ」が生じる。
これは程度の差はあれ、どのレースでも発生するが、自然さを優先した薄いレースほど起きやすい傾向がある。
レースというのは、糸状の化学繊維を縦横に配置し、それをくっつけて面としたものである。
力が加わって縦糸と横糸の接着が剥がれると、面から糸になってしまうのだ。これが「ほつれ」である。
外観は、かつらを形成するシート上のレースから、多数の糸が飛び出す形に見える。
ほつれができた部分はハサミなどでカットしていけば、かなり長期にわたってカツラを使用することができる。
全周囲縁ありとすれば、レースのほつれは発生しないため、耐久性優先の時はお勧めである。
なお、ほつれが問題になるのは、主にフロント部分である。
横と後ろに縁を付けない場合、そちらにもほつれが発生するが、上流からの髪に隠されて見えることはないので、ほつれはほとんど問題にならない。
前髪を下ろしている限り、ほつれはそれほど見えるものではないため、ほつれが発生したからといって不自然というわけではない。
しかし、かつらを手に持った時に、フロントのレースほつれは視線が真っ先に行く。
ほつれは、かつらの傷みの象徴的なところがあり、必要以上に忌み嫌われる傾向があるのも事実である。
ほつれるとすぐカツラを買い換えるというのももったいない話で、程度問題ではあるが、
ある程度のほつれは割り切って使い続けたほうがお得であると言えよう。
ほつれは、縁のない部分で、リムーバーを使わずに無理矢理カツラを剥がそうとすると、発生しやすい。
きちんとリムーバーが効いてからカツラを外すようにすれば、髪の寿命の方が先にくる可能性が高く、ほつれは
あまり気にならないはずだ。
もともと余白を大きくとっておけば、ほつれたらカットする、というアクションを繰り返せるので長持ちする。
ただし、あまり余白が大きいのも考え物で、最大でも8ミリ程度の幅に抑えておきたい。
ほつれて切る幅は2ミリくらいなので、レース余白が8ミリ幅であれば、あと3回カットできることになる。
通常、3回もカットする前に髪が寿命を迎えているだろうから、十分な余裕である。
ほつれが気になるが、もう余白が残っていない、という場合には、髪の植えてあるレース部分まで切ってもかまわない。
もちろん、切ったレースに沿ってかつらの毛が抜け落ちるが、それは実用上は問題にはならない。
また、前後の大きさが2ミリほど小さくなるわけだが、それくらいなら許容範囲内であろう。
是非試して欲しい。